川崎市岡本太郎美術館へ。
『肉体のシュルレアリスム/舞踏家土方巽抄』を観に行く。


岡本太郎美術館ははじめて。
生田緑地の中にありとても良いところだった。
常設の岡本太郎の作品群を抜けてからでないと、
企画展にたどりつけない作りになっており、
岡本さんの作品でかなりパワー消失。
だって、息がつまりそうなパワーが攻めてくるから。
今度もっとゆっくり観たい。
ちゃんと本も読みたい。


土方展では、
14時から高井富子さんのパフォーマンスと、
白石かずこさんの詩朗読を観る。
高井さんは小さなおばあさんというかんじだが、
とても凛としていて動きが美しい。
まず、展示にも飾られていた小石がたくさんついた着物姿で踊り、
そのあとに白石さんの朗読とともに糸車を持ちつつ踊る。


最後に、黒い衣装で黒いパラソル片手に踊り出した。
観客として来ていた大野一雄氏を見つめて涙ぐみ、
車椅子のままステージに誘う。
そのとき大野さんの両頬にキスする姿がすごかった。
大野さんはもう車椅子なしでは動けないようで、
ステージ上でものすごい力強さで手を振り上げ、
手だけの舞踏。
なんだかものすごいことが目の前で起こっていると思った。
絆とか生命力とかとにかく壮絶な力を観たような気がした。
あんなん観たら、もちろんこちらも涙ぐむ。


さらに15時半から『あんま』と『バラ色ダンス』の上映会。
飯村隆彦さんの実験サイレント映像で、
実際舞台の全貌は観られなかったがとてもおもしろかった。
飯村さんがこの当時の土方の作品は、
シュルレアリスムというよりネオダダだと言っていたのが印象深い。


肝心の土方展自体も良かった。
土方巽の人間っぽいギラギラした魅力があらわれていて、
どうやって踏み込んでいいのか分からない微妙な世界にちょっとだけ近づいたような気がした。
当時参加していた美術作家の提供作品や、
土方がインスパイアされた画家の絵をまとめたメモがきも良かった。
しかし、いい時代(自分にとっては)。
笠井さんのパフォーマンスの日も行こうかな。


[オンガク]
v.a.(P.S.F Psychedelic Sampler)
『Tokyo Flashback 2』


P.S.F(モダ〜ンミュージック)からの92年度オムニバス。
ハイライズ、マヘル、マーブルシープ、ゆら帝、光束夜、不失者など。
どれをとっても魅力的な一枚。